EC実務ラボ
分析中級者

EC売上分析の実践方法|データの見方と月次レポートの作り方

2026年3月20日

売上の因数分解テンプレート、前年比・ABC分析の実践手順、モール別データ取得方法、月次レポートの書き方まで、EC売上分析に必要な知識と手法を体系的にまとめます。

対象読者: KPIは把握しているが、売上データの分析方法やレポートの書き方に自信がないEC担当者

この記事で分かること

  • 売上方程式(訪問者数×CVR×客単価)の因数分解テンプレートが使える
  • 楽天・Amazon・Yahoo!の売上データ取得方法が分かる
  • 前年比・前月比の要因分析の手法が分かる
  • ABC分析でEC商品を仕分ける実践手順が分かる
  • 月次レポートの書き方とテンプレート構成が分かる
  • 売上が急に下がった時のチェックリストが使える

「売上が先月より下がった」——EC運営でこの報告を受けたとき、原因をすぐに特定できるでしょうか。「なんとなくアクセスが減った気がする」で終わっていませんか。

EC売上分析は**「勘」ではなく「数字」で原因を突き止め、改善アクションにつなげる技術**です。KPIの基本を押さえた次のステップとして、本記事では売上データの具体的な分析方法と、月次レポートの作り方を実務目線で解説します。

EC売上分析とは? ─ 分析の目的と全体像

なぜ売上分析が必要なのか

EC売上分析の目的は、売上の増減要因を特定し、再現性のある改善を続けることです。

売上が上がった月に「なぜ上がったか」を分析しないまま翌月を迎えると、同じ成功を再現できません。逆に、売上が下がった月に原因を特定しないと、同じ失敗を繰り返します。

売上分析で見るべき3つの視点

視点内容代表的な分析手法
売上構造売上を構成する要素(訪問者数・CVR・客単価)の現状を把握する因数分解
時系列変化前月比・前年比・セール効果など、時間軸での変動を分析する前年比分析・ウォーターフォール分析
商品構成商品ごとの売上貢献度を可視化し、注力/撤退の判断をするABC分析

EC売上分析の5つのステップ

  1. 目標を設定する — 「何のために分析するか」を明確にする(売上目標の達成状況確認、改善ポイントの特定等)
  2. データを収集する — モール管理画面やGA4から売上・アクセスデータを取得する
  3. 売上を因数分解する — 訪問者数×CVR×客単価に分解し、変動要因を特定する
  4. 分析手法を適用する — 前年比分析・ABC分析・顧客分析など、目的に応じた手法で深掘りする
  5. レポートにまとめる — 分析結果と改善アクションを月次レポートに整理する

売上の因数分解 ─ 売上方程式テンプレート

売上方程式の基本

EC売上分析の出発点は、売上を構成要素に分解することです。

売上 = 訪問者数(セッション数) × CVR(転換率) × 客単価

例えば月間売上300万円のショップの場合、以下のように分解できます。

要素数値前月比判定
訪問者数30,000−10%▼ 低下
CVR2.0%±0%→ 横ばい
客単価5,000円+5%▲ 上昇
売上300万円−5.5%▼ 低下

この例では、売上低下の主因は訪問者数の減少です。CVRや客単価ではなく、集客施策の見直しが優先アクションになります。

ユーザー軸の因数分解(新規 vs リピーター)

訪問者数をさらに「新規ユーザー」と「リピーター」に分解すると、より具体的な施策が見えてきます。

要素今月前月変化改善施策
新規訪問者20,00024,000−17%広告出稿の強化、SEO施策の見直し
リピーター10,0009,500+5%良好。メルマガ・LINE施策を継続
新規CVR1.2%1.3%−8%初回購入特典の検討、商品ページの改善
リピートCVR3.5%3.4%+3%良好。リピート施策が機能している

この分析により、「新規の集客と転換率が課題」という具体的な打ち手が明確になります。

商品軸の因数分解(カテゴリ別・単品別)

売上をカテゴリ別や主要商品別に分解すると、どの商品が売上を牽引/足を引っ張っているかが明確になります。

カテゴリ売上前月比構成比判定
カテゴリA150万円+15%50%好調。広告を強化
カテゴリB90万円−20%30%要注意。原因調査が必要
カテゴリC60万円±0%20%横ばい。現状維持

カテゴリBの売上が20%低下している原因は、在庫切れなのか、競合の価格変動なのか、季節要因なのか。ここから深掘り調査に入ります。

因数分解テンプレートの使い方

因数分解テンプレートはスプレッドシートで作成すると、毎月のデータ入力だけで自動的に分析できます。

項目計算式データ取得元
売上直接入力モール管理画面
訪問者数直接入力GA4 / モール管理画面
CVR購入者数 ÷ 訪問者数 × 100自動計算
客単価売上 ÷ 注文件数自動計算
前月比(今月 − 前月) ÷ 前月 × 100自動計算
前年比(今月 − 前年同月) ÷ 前年同月 × 100自動計算
因数分解テンプレートは1度作れば毎月使い回せます。最初の作成に30分かかっても、翌月からはデータ入力10分で分析が完了します。

モール別の売上データ取得方法

楽天市場 ─ RMS「データ分析」とShop Karteの活用

楽天の売上データは、RMS(楽天市場出店者向け管理システム)の「データ分析」メニューから取得します。

データ種類確認場所CSVダウンロード主な用途
売上・注文データデータ分析 > 売上推移月別・日別の売上トレンド分析
アクセスデータデータ分析 > 店舗カルテ訪問者数・転換率の推移確認
商品別データデータ分析 > 商品分析商品別のアクセス・売上・CVR
流入経路データ分析 > 流入分析検索/ランキング/広告の流入比率

Amazon ─ ビジネスレポートとブランド分析

Amazonの売上データは、セラーセントラルの「ビジネスレポート」から取得します。

データ種類確認場所CSVダウンロード主な用途
売上・注文データビジネスレポート > 売上ダッシュボード月別・日別の売上確認
ASIN別データビジネスレポート > 詳細ページ商品別セッション数・ユニットセッション率
カート獲得率ビジネスレポート > 詳細ページカートボックスの獲得状況
広告データ広告キャンペーンマネージャー広告売上・ACOS・インプレッション

Yahoo!ショッピング ─ ストアクリエイターProの分析機能

Yahoo!の売上データは、ストアクリエイターProの「販売管理」→「統計情報」から取得します。

データ種類確認場所CSVダウンロード主な用途
売上推移統計情報 > 売上推移月別・日別の売上トレンド
アクセス推移統計情報 > アクセス推移PV・UUの推移確認
商品別データ統計情報 > 商品別商品ごとの売上・アクセス

3モール共通の分析指標と統合管理のポイント

複数モールを運営している場合、スプレッドシートでデータを統合管理すると全体像が見やすくなります。

統合すべき指標楽天での名称Amazonでの名称Yahoo!での名称
訪問者数アクセス人数セッション数訪問者数(UU)
CVR転換率ユニットセッション率(売上÷UUで算出)
客単価客単価(売上÷注文件数で算出)(売上÷注文件数で算出)
⚠️モール間で指標の定義が異なる点に注意してください。例えば楽天の「アクセス人数」はユニークユーザー数、Amazonの「セッション数」は訪問回数(同一ユーザーの再訪を含む)です。単純比較ではなく、各モール内での前月比・前年比で評価するのが正確です。

EC売上の分析手法① ─ 前年比・前月比の要因分析

前年比・前月比の比較分析の基本

時系列での比較は売上分析の基本中の基本です。

  • 前月比: 直近の変化を捉える。施策の短期的な効果測定に有効
  • 前年比: 季節変動を排除した本質的な成長/衰退を把握する

例えば「今月の売上は前月比−15%」でも、前年同月比では+10%ということがあります。その場合、季節的に売上が下がる月であり、成長自体は継続していると判断できます。

ウォーターフォール分析で売上変動の要因を分解する

ウォーターフォール分析は、売上の増減を要因別に積み上げて可視化する手法です。

項目金額説明
前年同月売上250万円基準値
+訪問者数の増加分+30万円訪問者数が前年比120%に
+CVRの改善分+15万円CVRが1.8%→2.0%に改善
−客単価の低下分−10万円客単価が5,200円→4,800円に低下
+セール効果+15万円今年はセール規模を拡大
今月売上300万円前年比+20%

このように分解すると、「売上が伸びた理由は訪問者数の増加とCVR改善が主因。ただし客単価は低下傾向」という明確な結論が導き出せます。

セール・イベント効果の測定方法

セールやポイントイベントの効果を正確に測定するには、セール日と非セール日を分けて分析する必要があります。

区分日数売上日次平均前年比
セール日5日180万円36万円+25%
非セール日25日120万円4.8万円+5%
月間合計30日300万円10万円+15%

この分析により、「月間売上+15%のうち、セール日の貢献が大きく、非セール日の成長は+5%に留まる」ことが分かります。セール依存度が高い場合は、非セール日の底上げが次の課題です。

曜日・時間帯別の売上傾向分析

曜日別・時間帯別の売上パターンを把握すると、広告出稿やメール配信のタイミング最適化に活用できます。

EC売上の分析手法② ─ ABC分析で商品を仕分ける

ABC分析とは?

ABC分析は、売上貢献度の高い順に商品をA・B・Cの3ランクに分類する手法です。パレートの法則(80:20の法則)に基づき、「売上の80%は上位20%の商品が生み出している」という傾向を可視化します。

ECでのABC分析の実践手順(5ステップ)

  1. データを取得する — モール管理画面から商品別の売上データ(3〜6ヶ月分)をCSVダウンロード
  2. 売上順に並べ替える — 売上額の大きい順にソート
  3. 累積構成比を計算する — 各商品の売上構成比を上から累積で算出
  4. A・B・Cランクに分類する — 下記の基準で分類
  5. ランク別のアクションを決める — 各ランクに応じた施策を設計

Aランク・Bランク・Cランクの具体的な閾値設定

ランク累積構成比商品数の割合(目安)位置づけアクション
A上位0〜70%全体の10〜20%稼ぎ頭広告費を集中投下、在庫を厚く確保、商品ページを重点改善
B70〜90%全体の20〜30%育成対象Aランクに引き上げるための施策検討。レビュー収集、セット商品化
C90〜100%全体の50〜70%見直し対象在庫削減、販売終了の検討、セール処分
💡閾値は目安です。取扱商品数が少ない場合は70/90ではなく、60/85や80/95に調整してください。重要なのは「一部の商品が売上の大半を生んでいる」という構造を可視化することです。

「死に筋商品」の判断基準と対処法

Cランクの中でも特に売上が少なく、在庫コストや管理コストが利益を圧迫している商品が「死に筋商品」です。

判断基準の目安は以下の通りです。

  • 3ヶ月以上売上ゼロの商品
  • 在庫回転率が年1回未満の商品
  • 粗利がマイナス(仕入れ原価+保管コスト > 売上)の商品

対処法は「値下げセールで在庫処分」「セット商品に組み込む」「出品を停止して在庫を返却」のいずれかです。

EC売上の分析手法③ ─ 顧客分析(RFM分析・リピート率)

RFM分析の基本と簡易版の実践方法

RFM分析は、顧客を**Recency(最終購入日)、Frequency(購入頻度)、Monetary(購入金額)**の3軸で分類する手法です。

簡易版のRFM分析は、スプレッドシートで以下のように実践できます。

セグメントR(最終購入)F(頻度)M(金額)アクション
優良顧客直近1ヶ月月1回以上上位20%VIP特典・先行販売の案内
一般リピーター直近3ヶ月3ヶ月に1回中間メルマガ・クーポンで定期購入を促進
休眠顧客6ヶ月以上前1〜2回低〜中復帰キャンペーン・特別クーポンの送付
離脱顧客1年以上前1回のみ再獲得コストが高いため、優先度は低い

新規顧客 vs リピーターの売上構成比分析

新規とリピーターの売上構成比は、ECの成長段階を示す重要な指標です。

構成比パターン状態推奨アクション
新規80%:リピ20%新規依存型。広告を止めると売上が急落するリスクリピート施策(メルマガ・LINE・ポイント)の強化
新規50%:リピ50%バランス型。健全な成長基盤両方の施策をバランスよく継続
新規20%:リピ80%リピーター依存型。安定しているが成長が鈍化新規獲得施策(広告・SEO・SNS)の強化

LTV(顧客生涯価値)の簡易計算と活用

LTV = 客単価 × 年間購入回数 × 平均継続年数

LTVが分かると、新規顧客獲得にいくらまでコストをかけてよいかの判断基準(許容CPA)が明確になります。詳しくはROASの基本も参考にしてください。

売上異常値の検知と原因特定の手順

「売上が急に下がった」ときに確認すべき10項目チェックリスト

売上が急落した場合、パニックにならず以下の10項目を順番に確認してください。

Noチェック項目確認方法原因の分類
1在庫切れ・販売停止の有無モール管理画面の在庫状況内部要因
2広告の停止・予算切れ広告管理画面内部要因
3価格変更の有無変更履歴の確認内部要因
4カート獲得率の変動(Amazon)ビジネスレポート内部/外部要因
5商品ページの変更・不具合実際にページを確認内部要因
6SEO順位の急変Search Console外部要因
7競合の価格変動・新商品投入競合サイトの確認外部要因
8モール全体のトラフィック変動ニュース・業界情報外部要因
9季節要因・イベント終了後の反動前年同時期との比較外部要因
10システム障害・計測エラーGA4・モール管理画面のデータ整合性システム要因
まず内部要因(No.1〜5)から確認するのが効率的です。在庫切れや広告停止が原因なら、すぐに復旧できます。外部要因は自社でコントロールしにくいため、対策に時間がかかります。

異常値の記録と再発防止の仕組み化

異常値を検知したら、「いつ・何が・なぜ起きたか・どう対処したか」を記録に残すことが重要です。これにより、翌年の同時期に同じ問題を予防できます。

月次レポートの作り方 ─ テンプレートと記入ガイド

月次レポートに必要な5つの要素

要素内容分量目安
①サマリー売上・セッション数・CVR・客単価の前月比・前年比を一覧表示1ページ
②主要KPI推移直近6ヶ月のトレンドグラフ。上昇/下降トレンドを可視化1ページ
③カテゴリ別・商品別分析売上構成比の変化、注目商品のピックアップ1〜2ページ
④施策の振り返り実施した施策の効果検証(数値で)1ページ
⑤来月のアクションプラン分析結果に基づく次月の重点施策を3〜5項目1ページ

レポートテンプレートの構成

■ 月次レポート:○年○月

【1. サマリー】
売上:○○万円(前月比 +○%/前年比 +○%)
セッション数:○○(前月比 +○%)
CVR:○.○%(前月比 +○.○pt)
客単価:○,○○○円(前月比 +○%)

【2. 主要KPI推移】
(6ヶ月分のデータ表)

【3. カテゴリ別分析】
- カテゴリA:売上○万円(前月比○%)─ 好調。原因は○○
- カテゴリB:売上○万円(前月比○%)─ 要改善。原因は○○

【4. 施策の振り返り】
- 施策1(○○)→ 結果:CVR +○.○pt → 継続
- 施策2(○○)→ 結果:効果なし → 中止

【5. 来月のアクションプラン】
1. ○○の改善(期待効果:売上+○万円)
2. ○○の導入(期待効果:CVR +○.○pt)
3. ○○の見直し(期待効果:コスト削減 ○万円)

上司・クライアントに伝わるレポートのコツ

  • 結論を最初に書く:「売上は前月比+5%で目標達成」を冒頭に。詳細はその後
  • 数字で語る:「アクセスが増えた」ではなく「セッション数が前月比+12%(3,600増)」
  • 比較対象を明示する:前月比だけでなく前年比も併記。季節変動を排除した評価が可能に
  • アクションにつなげる:分析結果の後に必ず「だから来月は○○する」を記載

EC売上分析に使えるツール比較

無料ツール

ツール主な用途EC売上分析での活用
Googleスプレッドシートデータ集計・分析因数分解テンプレート、ABC分析、月次レポート
GA4アクセス解析自社ECの訪問者数・CVR・流入経路の分析
Looker Studioダッシュボード複数モールのデータを統合して可視化
各モール管理画面モール別データ取得楽天RMS・Amazonセラセン・ストクリProの標準機能

有料ツール

ツール主な用途月額目安おすすめ対象
Nint競合分析・市場分析数万円〜モール売上の市場シェア分析
TableauBIダッシュボード数千円〜/ユーザー大量データの可視化が必要な場合
ネクストエンジン受注・在庫管理+分析数千円〜複数モール一元管理
EC売上分析はGoogleスプレッドシート + 各モール管理画面で十分に実践できます。有料ツールは月商500万円以上、または複数モール・大量SKUの管理が必要になった段階で検討しましょう。

よくある質問(FAQ)

Q1. EC売上分析で最初に見るべき指標は何ですか?

売上・セッション数(訪問者数)・CVR(転換率)・客単価の4つです。この4つで「売上=訪問者数×CVR×客単価」の因数分解ができ、どの要素にボトルネックがあるかを特定できます。

Q2. 売上の因数分解とはどういう意味ですか?

売上を「訪問者数×CVR×客単価」のように複数の要素に分解し、どの要素が売上の増減に影響しているかを特定する分析手法です。さらにユーザー軸(新規/リピーター)や商品軸(カテゴリ別)で深掘りします。

Q3. 月次レポートにはどんな項目を書くべきですか?

①サマリー(売上・セッション数・CVR・客単価の前月比・前年比)、②流入経路の変化、③商品別の売上動向、④施策の効果検証、⑤来月のアクションプランの5要素が基本です。

Q4. ABC分析をECで実践するにはどうすればいいですか?

商品別の売上データをダウンロードし、売上額の大きい順に並べ、累積構成比でAランク(上位70%)、Bランク(70〜90%)、Cランク(90〜100%)に分類します。Aランク商品に広告費や在庫を集中させるのが基本です。

Q5. 売上が急に下がった場合、まず何を確認すべきですか?

①在庫切れ・販売停止の有無、②広告の停止・予算切れ、③カート獲得率の変動(Amazon)、④SEO順位の急変、⑤競合の価格変動の5つを最初に確認してください。内部要因→外部要因の順に調査するのが効率的です。

Q6. モール別の売上データはどこから取得できますか?

楽天はRMSの「データ分析」→「店舗カルテ」、Amazonはセラーセントラルのビジネスレポート、Yahoo!はストアクリエイターProの「統計情報」からそれぞれCSVでダウンロードできます。

Q7. 前年比分析はどのように行えばいいですか?

同月の売上を前年と比較し、差額を「訪問者数の変化」「CVRの変化」「客単価の変化」に分解します。さらにセール日・平常日を分けて比較すると、施策効果と市場変動を切り分けられます。

Q8. EC売上分析に必要なツールは何ですか?

基本はGoogleスプレッドシート(またはExcel)と各モールの管理画面だけで十分です。GA4は自社ECサイトのアクセス解析に、Looker Studioは複数モールのデータ統合に便利です。

まとめ ─ 売上分析を「習慣」にするために

EC売上分析は、一度やって終わりではなく毎月の習慣にすることで真価を発揮します。

  • 売上は「訪問者数×CVR×客単価」に因数分解する。どの要素が変動したかを毎月確認する
  • ユーザー軸(新規/リピーター)と商品軸(カテゴリ別)の2軸で深掘りすると、具体的な改善策が見える
  • 前年比分析でセール日/非セール日を分けて評価する。月全体の数字だけでは本質が見えない
  • ABC分析で「稼ぎ頭」と「死に筋」を明確に分類し、リソース配分を最適化する
  • 月次レポートは「サマリー→詳細→アクション」の構成で、必ず次の打ち手まで記載する
  • 売上が急変した時のチェックリスト(10項目)を用意しておくと、冷静に原因を特定できる

まずは今月の売上を因数分解し、「どの要素が最も課題か」を特定するところから始めてください。EC担当者が見るべきKPIでKPIの基本を押さえ、アクセス解析入門でデータの取得方法を確認すると、売上分析の精度がさらに上がります。

よくある質問

Q. EC売上分析で最初に見るべき指標は何ですか?

A. 売上・セッション数(訪問者数)・CVR(転換率)・客単価の4つです。この4つで「売上=訪問者数×CVR×客単価」の因数分解ができ、どの要素にボトルネックがあるかを特定できます。

Q. 売上の因数分解とはどういう意味ですか?

A. 売上を「訪問者数×CVR×客単価」のように複数の要素に分解し、どの要素が売上の増減に影響しているかを特定する分析手法です。さらにユーザー軸(新規/リピーター)や商品軸(カテゴリ別)で深掘りします。

Q. 月次レポートにはどんな項目を書くべきですか?

A. ①サマリー(売上・セッション数・CVR・客単価の前月比・前年比)、②流入経路の変化、③商品別の売上動向、④施策の効果検証、⑤来月のアクションプランの5要素が基本です。

Q. ABC分析をECで実践するにはどうすればいいですか?

A. 商品別の売上データをダウンロードし、売上額の大きい順に並べ、累積構成比でAランク(上位70%)、Bランク(70〜90%)、Cランク(90〜100%)に分類します。Aランク商品に広告費や在庫を集中させるのが基本です。

Q. 売上が急に下がった場合、まず何を確認すべきですか?

A. ①在庫切れ・販売停止の有無、②広告の停止・予算切れ、③カート獲得率の変動(Amazon)、④SEO順位の急変、⑤競合の価格変動の5つを最初に確認してください。内部要因→外部要因の順に調査するのが効率的です。

Q. モール別の売上データはどこから取得できますか?

A. 楽天はRMSの「データ分析」→「店舗カルテ」、Amazonはセラーセントラルのビジネスレポート、Yahoo!はストアクリエイターProの「統計情報」からそれぞれCSVでダウンロードできます。

Q. 前年比分析はどのように行えばいいですか?

A. 同月の売上を前年と比較し、差額を「訪問者数の変化」「CVRの変化」「客単価の変化」に分解します。さらにセール日・平常日を分けて比較すると、施策効果と市場変動を切り分けられます。

Q. EC売上分析に必要なツールは何ですか?

A. 基本はGoogleスプレッドシート(またはExcel)と各モールの管理画面だけで十分です。GA4は自社ECサイトのアクセス解析に、Looker Studioは複数モールのデータ統合に便利です。

✍️

EC実務ラボ編集部

Amazon・楽天・Yahoo!ショッピングの3モール運営経験をもとに、EC担当者が実務で使えるナレッジを整理しています。広告運用、商品ページ改善、分析、販促設計が主な領域です。

売上分析テンプレート

売上の因数分解テンプレートと月次レポートテンプレート(スプレッドシート)を配布しています。データ入力だけで前月比・前年比が自動計算されます。

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